GALLERY
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- “2021→2022”
サヴォア邸
ル・コルビジェ/1931/440㎡/鉄筋コンクリート/フランス・ポワシー
新しい建築思想を具現化した近代建築の代表作
近代建築の発達に大きな影響を与えた、ル・コルビュジエの代表作であるサヴォア邸。「田舎の上品な風景を楽しめる週末住宅」という依頼のもとに実現したこの住宅は、東京・上野にある国立西洋美術館と同じく世界遺産に登録されています。
ル・コルビジェは数々の住宅を手掛ける中で、それまでの重厚な壁に囲まれた伝統的な建築から解放された明るく自由な住まいを求めていました。そして確立したのが、“近代建築の5原則”です。
- 1.ピロティ
- 居住を2階以上に持ち上げ、地上をガレージや植物、運動のための場に。
- 2.屋上庭園
- 従来の斜めの屋根をなくし、日光浴・運動・菜園の場に。
- 3.自由な平面
- 従来の壁で囲まれた部屋を、間仕切りのない流動的な空間に。
- 4.水平連続窓
- 画一的な縦型の窓ではなく、自由で大きい窓によって空間をより明るく。
- 5.自由なファサード
- 特に正面から見た外観をより自由なデザインに。
サヴォア邸はこのすべての要素を集約しており、ル・コルビジェの建築思想を詰め込んだ20世紀の最高作品の一つと言われています。
落水荘
フランク・ロイド・ライト/1936/495㎡/鉄筋コンクリート/アメリカ・ペンシルバニア
自然と調和する滝の上の名建築
落水荘として知られるカウマン邸は、 “ 近代建築の三大巨匠 ”の一人であるフランク・ロイド・ライトによって建てられました。彼は帝国ホテルの設計も手掛ている建築家で、またこの落水荘は葛飾北斎の作品から着想を得たと言われており、日本に馴染みのある建築家です。
元々の依頼は「滝を眺めることができる週末住宅」というものでしたが、ライトは依頼主の想像をはるかに超えました。その美しい景色と一体となるこの建築を提案したのです。落水荘はまさに滝の上に建てられており、リビングからは階段で水辺に降りることができるようになっています。
ライトの設計思想は、建築物と自然環境との調和を実現することでした。その思想は滝だけでなく、梁を支える基礎に自然の岩盤をそのまま利用したり、部屋の中にも岩がむき出しになっているなど、一般的な住まいとは全く異なります。そのため観光地としても非常に人気があり、毎年12万人もの人々が訪れ、アメリカの雑誌では第1位の名住宅建築にも選ばれています。
スカイハウス
菊竹清訓/1958/247㎡/鉄筋コンクリート/東京都文京区大塚
新陳代謝する空に浮かぶ居住
スカイハウスの構造はその名から想像できるように、4本の鉄筋コンクリート壁柱によって地上5mの高さに掲げています。その外観はシンプルながらも、60年以上も前に建てられたとは思えないほど斬新で自由な印象です。
菊竹がこの自邸をつくったきっかけは、第二次世界大戦後にさかのぼります。地主だった菊竹家は、GHQ主導の農地改革・地主制度の解体により、財産が没収されてしまいました。それに対する怒りから新しい土地をつくろうとした結果、スカイハウスが生まれたと本人は語ります。
また、菊竹氏は、“メタポリズム”を提唱するひとりでした。メタポリズムとは、社会の変化や技術の発展に応じて都市や建築も更新されるべきだという考え方です。そしてその菊竹の思想を実現した自邸が、このスカイハウスです。
1辺10mの正方形であるガラス張りの居住空間に壁はなく、キッチン・浴室などの生活装備は取り換え可能になっています。さらに1階のピロティ部分は増築可能となっており、実際に現在は子供部屋が増築されており、竣工当時とは異なる趣があります。
日本を代表する建築家、伊東豊雄に「われらの狂気」と言われるほどの菊竹の強い建築思想表出した住宅です。
リゴルネットの住宅
マリオ・ボッタ/1976/495㎡/CB(コンクリートブロック)/スイス・ティチーノ州
伝統的な手法を生かした可愛らしいデザイン
スイス南部出身のマリオ・ボッタ氏は、この国が生んだ最も有名な建築家の1人です。住宅、博物館、銀行からカジノまで、幅広いジャンルの作品が世界各地に存在し、日本では渋谷区のワタリウム美術館を手掛けています。
この建物の魅力は、ミルフィーユ状のケーキのような可愛らしいその外観。赤と白の縞模様はスイスの伝統的な手法を取り入れているため、一見奇抜に見える外観ですが実はこの土地の風土に溶け込んだ建物となっています。
もうひとつの特徴は、単純な立方体の建物の中央部にある大きな開口部。その奥は小さな窓に分かれています。外壁に開口部をほとんど設けずに一部に集中させるこのデザインは、用途を明解に分離させているようで魅力的な内部空間を演出しています。
ボルドーの家
レム・コールハース/1998/495㎡/CB(コンクリートブロック)/フランス・ボルドー
世界一美しく複雑なユニバーサルデザイン
歴史的記念物として指定されるこの住宅は、ボルドーを一望できる丘の上に建ち、周囲には中世から続く古い町並みが広がっています。
ボルドーの家は、交通事故で危うく一命を取り留めた車椅子の男性によって依頼されました。しかしその依頼内容は、「求めるのはシンプルなものではなく、複雑な住宅。なぜならその家が私の世界を規定するであろうから。」というもの。
結果として出来上がったこの住宅の中央には、おおよそ6畳の舞台装置のようなエレベーターが配置されています。ただし、このエレベーターは単なる移動手段ではなく、まるで動く床のようでこの家のデザインの主役となっています。
また、中庭に面した外壁はガラス張りで全体的に宙に浮かんでいるような構造。中庭には螺旋状に緩やかな傾斜があります。外観は長方形の家の中にも、螺旋構造が隠されていて依頼通り、複雑なデザインとなっています。
マリン邸:ケモスフィア
ジョン・ロートナー/1960/495㎡/PC・S・木造/アメリカ・カルフォルニア州ウエストハリウッド
ハリウッドの丘にそびえ立つ未来的建築
ハリウッドを見下ろす丘の傾斜地にあるマリン邸はまるで宇宙船のような作品です。「メン・イン・ブラック」(1997)や「チャーリーズエンジェル」(2000)、「007 ダイヤモンドは永遠に」(1971)など多くの映画に登場しているので、見覚えのある方も多いかもしれません。依頼主のマリン氏は航空宇宙科学者とのことで納得のデザインです。
宙に浮かぶ八角形のこの建物は、曲線のフォルムを取り入れることによって、より未来的な印象を強調しています。一方で鋼鉄とともに木を用いることによって自然のぬくもりを感じさせる側面も兼ね備えています。
また、どの部屋からも連続窓を通して素晴らしい景色を眺めることができ、さらには屋根の中央の天窓から自然光が屋内を明るく照らします
未来への思いを馳せて作られたこの現実離れした住宅がハリウッド映画に何度も登場することになるのも納得です。
イームズハウス
チャールズ&レイ・イームズ夫妻/1949/140㎡/鉄骨造/アメリカ・ロサンゼルス
世界で活躍するデザイナー夫婦が愛したローコスト住宅
「イームズチェア」で知られる家具の他、ファブリックやグラフィック、映画制作までも手掛けるなど幅広く活躍するデザイナーのイームズ夫妻。彼らはスタジオと自宅を中庭で繋ぐ、シンプルな箱形で成り立つこの建物で、設計し、生涯を過ごしました。
イームズハウスは、戦後に需要が増大した住宅の大量供給のモデルを提案するための雑誌社のプログラム「ケーススタディ・ハウス」の8番目として設計されました。時代的な住宅不足に備えるために当時の既製工業製品のみを使用し、ローコストなモデル住宅を実現しています。また、工業用のサッシを使用することでコストの削減だけでなく、大きな開口部のある気持ちの良い住宅となりました。リビングは2層吹き抜けで、周辺の自然と光を大いに取り込み、開放感をもたらしています。
元々は雑誌社の企画として実験的に作られた住宅でしたが、今では工業化時代の新しい建築のあり方を示すイームズ夫妻の最高傑作として称賛されています。
シルバーハット
伊東豊雄/1984/139㎡/鉄筋コンクリート/東京都・中野区
日本を代表する建築家の開放的な自邸
建築界のノーベル賞と言われているプリツカー賞も受賞した世界的に有名な建築家である伊東豊雄氏の自邸であるシルバーハット。メタルを素材とした架構で開放的なこの建物は、香港などに見られる水上生活者の舟やテントをイメージして建てられました。
中庭を囲む平面構成となっており、中庭上部には開閉可能なテント(通風・日照調整)が設計されています。これによって中庭がリビングルームの延長の室内として使えるようになっています。
都市の自然と親しみやすく開放的なつくりと言われていますが、元々は「西の安藤、東の伊東」と呼ばれる程に内にこもる自閉的な建築手法で知られていました。この自邸を機に伊東の設計手法はまったく変わり、外へと開けた建築を設計するようになりました。現在、シルバーハットは今治市にある伊東豊雄ミュージアムに移築されています。
フィッシャー邸
ルイス・カーン/1967/170㎡/木造/アメリカ・ペンシルバニア
採光までもデザインされた豊かな空間
多くの建築家が絶賛するフィッシャー邸は、カーンの住まいに対する空間理念があらわれている建築作品です。糸杉でおおわれた2つの木箱を45度傾けてくっつけた何とも魅力的な空間が見どころです。
2つの木箱は、人が集う空間(リビングキューブ)とプライベートな空間(スリーピングキューブ)として明確に機能が分けられています。それらを「斜めの配置」によってつなげることによって、各々の部屋ごとに適した光や風景取り込まれ、空間に深みが増しています。
また、材料は、基礎の石から外壁の杉に至るまですべて地元産。そのため周辺の環境とも見事に調和しており、フィッシャー夫婦によって丁寧に手入れされたイトスギの壁が長い年月を経た今も美しさを保っています。
マイラム邸
ポール・ルドルフ/1961/170㎡/CB造/アメリカ・フロリダ
自由な外観による圧倒的な存在感
「建築家が最もやるべきことは視覚的に人を楽しませることである」という言葉を遺したポール・ルドルフ。マイラム邸は、ルドルフが自らの建築の方向を決めた建物です。
ポールは元々構造への関心が強かったため、寸法的な規則正しさが住宅の外観にまで及んでいました。マイラム邸はポールがそれまでの彼の考え方を180°変え、自由な外観で構成した新しいデザイン建築です。
様々な大きさの四角の枠組みを組み合わせたこの外観はその中の部屋の配置とは全く無関係。2層の住宅には大きすぎるような彫の深い外観が実際のサイズよりも大きく見せています。室内と外観を解放したことが、この建物の存在感を一層強めることになったのです。 この考えは、その後のイエール大学建築学部棟(1963年竣工)にも引き継がれることになりました。
グラスハウス
リナ・ボ・バルディ/1951/170㎡/鉄筋コンクリート/ブラジル・サンパウロ
生い茂るジャングルの中に聳えるブラジルの名建築
リナが設計した住宅で現存するのはたった2軒。リナは「一般の人々のために仕事がしたい」と、次第に公共建築のみを手がけるようになったためです。そのうちの一軒が自邸であるこのグラスハウス。
「住宅を自然の中に晒す」というテーマのもとに建てられたこの家の一番の特徴はリビングルームです。3面の大きなガラスから目の前に植物が生い茂る景色は、まるで森の中に浮いているような感覚を与えます。
直線からなるデザインやピロティ、大きなガラスのファサードは西欧的であり、周り生い茂る植物やタイルなどの工芸的内装が南米的と言えます。
イタリアのモダニズムとブラジルの土着的な双方の魅力が美しいバランスで混ざり合っているこの家は、イタリア移民であり「ブラジル文化のミューズ」とも表現されるリナのデザインだからこそ成しえたものと言えます。
鉄の家
隈研吾/2007/265㎡/鉄筋コンクリート/東京都・文京区
鉄道ファンのための貨車の中で暮らす家
新・国立競技場や高輪ゲートウェイ駅、角川武蔵野ミュージアムなどを次々に手掛ける隈研吾が設計した住宅です。
依頼者は子供の頃から鉄道の熱狂的なファンであり、千台以上の鉄道模型をどう展示するかが設計の初期段階からのテーマでした。
結果として、高低差のある旗竿敷地という特殊な敷地形状に合わせて、細長い貨車がL字型に折れ曲がって坂道に停車したような形の建物になりました。この建物には柱梁はなく、外壁の3.2mm厚の鉄板を使用したモノコック構造となっています。モノコック構造はもともと、極限の強度が求められる航空機用に開発されたもので、外皮が強度部材を兼ねる構造物のことを指します。モノコック構造は鉄道にも応用されており、まさに鉄道の中で暮らすような家を実現しました。
HOT FLASH GIRL
SUI THE TOKYO
コロナ禍真っ只中時、私は放射線治療やホルモン剤の副作用のホットフラッシュと戦っていた。治療と戦ってるサバイバーは、コロナと薬副作用、免疫力上げる作業トリプルでしながら人知れず頑張っている。
これもまたコロナ禍の中の小さな戦い。
目に見えぬものに願い 目に見えるものを責め 側にあるものを愛す
emi tanaji
疫病や手に負えない出来事が起こると人間はいつの時代も神や妖怪を創り上げ祈る。人間にしか起こらないこの現象は、創造性にとび、争いを余儀なくする。人間ならではだなぁという不思議をシャーマンをモチーフに描きました。
Reaching or Leaving
SHINJIRO TANAKA
「繋ごうとしている、もしくは、手を離してしまった手」。
左手はポジティブな言葉、右手はネガティブな言葉で構成されており、視点の違いを表現。この手は繋ごうとしているのか、それとも離してしまったのか、どう見えるかは鑑賞者次第。一本の線には、「それでもどこかでみんな繋がっている」という願いが込められている。
OVERCOME COVID-19
KATHMI
2020年から、世界が一変してしまいました。コロナ前から大変だった方も、コロナによって大変になった方も、問題が可視化されて、議論が巻き起こったと思います。どんな方も、困難を乗り越えることができますように。強い意志と優しさを持って。
無敵-invincible-
MICROU
私達の身体を作る細胞は、心臓が動いている限り全力で生きています。心臓が動き続けている限り私達の身体は戦うことができます。戦うことができる私達は無敵なのです。
Invincible as long as your heart moves.
HOPE
猪本大介 dee-words
お世話になった方が亡くなった
何も考えられなくなった
この2年、世界中で色んなコトが起きた
新宿の行き交う人達や街並み、雑音を感じてみる
活気のようなモノと暗闇が入り乱れている
歩み方は皆違うが、一歩踏み出す
HOPELESSNESS絶望からHOPE希望が増えて行くコトを強く願って
歌舞伎町交差点
Yohei Takahashi
大きなテーマが設定されたときに溢れてしまう個別の一つ一つについて目を逸らさないことが大切だという事をコロナ禍の中で強く思うようになりました。作品は、鑑賞する距離や鑑賞者が見ようと眼差すことでイメージが立ち上がる事を目指しています。距離について、見るという事について考えるきっかけになればと思います。
SILVER RATIO
OLI
コロナによって僕たちが生きてきた普通が歪んでしまった、美しいもの、楽しいもの色々。
しかしその歪みは新しいバランスであり、もしもそれが美しかったり楽しかったらその歪みと調和が取れるのではないか。そこで世界的に美とされる彫刻や絵画、いわゆる黄金比と称されるものを歪めることでそこにまた美は生まれるのか?という挑戦を表現した。
“2021→2022”
buggy
彼は救世主?それとも偽神?